F T P 
 目 次 


このページではAS/400とワークステーションとの間でファイル転送を行なうFTPを紹介します。
FTPはTCP/IP接続を利用して行なうファイル転送プロトコルなので
AS/400とワークステーションがTCP/IP接続でない場合はFTP利用できません。
ここではワークステーションをWSと略します。



FTPの構成

FTPは、FTPサーバーとFTPクライアントの1対のプログラムからなります。
通常、AS/400でFTPサーバーが、WS側がFTPクライアントになります。
サーバー側はリモート(REMOTE)、クライアント側はローカル(LOCAL)と呼ばれます。


FTPセッションの開始

FTPクライアントのプログラムの起動をFTPセッションの開始といいます。
FTPセッションを開始するには、WSでDOS窓をひらき、
  
  FTP −n

のように入力します。
DOSなので、最後は実行キーでなく、Enterキーであることに注意して下さい。
−nは自動ログインをさせないオプションで、単にFTPセッションに入るだけを指示します。


FTPサーバーとの接続

FTPサーバーとの接続はFTPサブコマンドopenを使用します。

 open  nnn.nnn.nnn.nnn

ここで,nnn.nnn.nnn.nnnはリモートAS/400のIPアドレスです。
FTPコマンドは英小文字でなければなりません。
IPアドレスは、次のようにAS/400でWRKTCPSTSコマンドを使って調べることができます。

  WRKTCPSTA *IFC


ちなみに、openに対応する接続解除のFTPコマンドはcloseです。


ログイン

メクライアントがFTPにユーザーとしてログインするにはuserコマンドを使用します。

例:
  user qpgmr qpgmr

ここで最初のqpgmrはユーザーID、二番目はパスワードです。


FTPのコマンド

ログインした後は、各種FTPのコマンドで操作を行います。
コマンドは数10種類ありますが、重要なものだけ紹介します。

get   リモートからローカルへ(すなわちAS/400からWSへ)ファイルを転送します。
put   ローカルからリモートへファイルを転送します。
binary ファイルをバイナリーモードで扱います。
quote リモートでコマンドを実行させます。
type   ファイルの文字タイプを指定します。
close  接続を切断します。
bye   ログインを終了します。
help  コマンドのヘルプ情報を表示します。

注:FTPコマンドはいずれも英小文字です。注意して下さい。


ソースのダウンロード

ソースをダウンロードする例を紹介します。

  open 192.168.0.55
  user  qpgmr qpgmr
  quote type b 1
  get   wrklib/qrpgsrc.rpg01  a:¥rpg01.txt
  quit


ソースのアップロード

ソースをアップロードする例を紹介します。

  open 192.168.0.55
  user  qpgmr qpgmr
  quote type b 1
  put   a:¥rpg01.txt  wrklib/qrpgsrc.rpg01 
  quit


セーブファイル(*SAVF)のダウンロード

  open 192.168.0.55
  user  qpgmr qpgmr
  bin
  get   wrklib/savf1.savf1  c:\savf1.bin
  quit

ここで、セーブファイルSAVF1は、SAVLIBコマンドでWRKLIBに作成済みであるものとします。


セーブファイル(*SAVF)のアップロード

  open 192.168.0.55
  user  qpgmr qpgmr
  bin
  put   c:¥savf1.bin wrklib/savf1.savf1  
  quit

セーブファイルのアップロードをする場合は、あらかじめリモート(AS/400)側に空のセーブファイルを
作成しておいて転送します。


QTEMPの利用

get/put先として、ライブラリーQTEMPにあるファイルにすることは可能です。
しかし、QTEMPのファイルにPUTしても、WSのPCOMM画面のQTEMPには、PUTされていません。
なぜなら、FTPそのQTEMPはどこまでも、FTPセッションのQTEMPであってWSのPCOMM画面の
QTEMPではないからです。
FTPセッションのQTEMPとPCOMM画面セッションのQTEMPを混同しないようにして下さい。

他の、PCOMMセッションとデータをやりとりするには、QTEMP以外のライブラリーのファイルを
経由するしか方法はないようです。


FTPコマンドのバッチ実行

FTPセッション開始で’−s’オプションを使用すると、FTPコマンドをバッチで実行できます。
一般形は次のようになります。

  FTP −n −s:C:¥ファイル名.TXT

ここでファイル名.TXTには上記例にあるような、一連のFTPコマンドのテキストを格納しておきます。
この例ではWSのCドライブ直下にコマンドの入ったファイルを作成してありますが、
フォルダー(ディレクトリー)の中に作成することも可能です。


簡易型自動ライブラリーバックアップ


上記のセーブファイルのダウロード/アップロードを利用すれば、ライブラリーのバックアップを
磁気テープでなく、パソコンのハードディスクにとることができます。
さらに、AS/400からDOSコマンドを実行させるコマンドSTRPCCMDを使用すれば、
AS/400主導で自動的にライブラリーバックアップをとることができます。
手順だけ示します。

1.SAVLIBコマンドを利用して目的ライブラリー保管ファイルを適当なライブラリーに作成します。
2.PCオーガナイザーを開始します。
  STRPCO
3.STRPCCMDにより、FTPを開始させます。
  STRPCCMD PCCMD(’FTP −n −s:C:¥FTP01.TXT’)

注意:
1.どこまでも、本質はWS主導なので、WSはAS/400とセッションを持っていなければなりません。
2.FTPコマンドのファイルFTP01.TXTは予めWSに作成しておかねばなりません。
3.PCにはウィルス感染やクラッシュ事故の危険がいつでもあるものとして、どこまでも
  一時的なデータ転送や、簡易バックアップにとどめるべきでしょう。






目次


(C)COPYRIGHT ISHIOKA KATSUHIDE 2004−2005